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味覚障害について

  アリゾナも11月を迎え、ずいぶんと朝晩が冷え込んできました。季節の変わり目、みなさん、お元気ですか?学校や仕事をはじめ、新しい様式の中での新しい生活が始まっています。これからは風邪、インフルエンザの季節ですが、それに加えての新型コロナウイルスの第二波、第三波の予兆も加え、これから数か月は例年より用心して過ごしたいものですね。自分たちにできることをした上で、元気に過ごしましょう。

 さて、新型コロナウイルスの一つの自覚症状の一つに、「料理の味がしない」「味が分からい」などという味覚障害というものがあげられています。実はこの味覚障害は、新型コロナウイルスだけが原因ではない場合もある病気の一つです。気づかない内に、おいしい秋の味覚が分からない!ということにならないよう、今回は、味覚障害についての勉強です。

 

味覚障害とは

 味覚障害とは、味を感知するセンサーがうまく機能しなくなり、食べ物の味を感じなくなることをいいます。この味覚センサーは、おもに舌の表面にあり、味蕾(みらい)と呼ばれます。味蕾(みらい)には、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5種類を感じる細胞が存在すると言われています。この「甘い」、「塩からい」、「酸っぱい」、「苦い」、「おいしい」などの味がわからなくなることを味覚障害といいます。 食べ物の味を薄く感じるようになり、味付けが濃くなってしまうことで、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを上げてしまうこともあります。

味覚障害の症状

  実は、味覚障害の症状の初期症状は自分では気がつきにくいことも多く、作った料理の味が濃いなどと指摘されて、気づくことも多いと言われています。そのため、味覚障害の症状に気がついたときには、症状が進行してしまっていることも少なくありません。味覚障害は、症状によって大きく以下のように分類されます。

・味覚消失・・・まったく味を感じない 

・味覚減退・・・ある程度の濃い味にしないと感じない

・異味症・・・甘いものを苦く感じるなど、本来とは違う味に感じる

・悪味症・・・どんなものを食べても後味を嫌な味になる

・味覚過敏・・・味が濃く感じる

・解離性味覚障害・・・甘みや酸味など、ある特定だけの味を感じなくなる<

・自発性異常味覚・・・何も食べていないのに、苦みや渋みを感じる

・片側性味覚障害・・・口の中で片側だけ味覚を感じる


味覚障害の原因?


①亜鉛不足
味覚障害の約7割がこの亜鉛不足が関係しているといわれています。原因としては、偏った食生活による亜鉛不足があげられます。亜鉛は、たんぱく質の合成や骨の発育、傷の修復など、身体の新陳代謝に欠かせない必須ミネラルです。亜鉛は、味を感じる味蕾(みらい)の新陳代謝や、味を感知する時にも使われており、味覚にとって重要な働きをしています。
②舌炎
舌の表面に起こる炎症である舌炎のような舌自体の異常も味覚障害の原因となります。 ③神経の損傷
病気による神経障害や顔面神経麻痺が原因となり、味覚を司る神経を損傷することで、味覚障害を発症することがあります。この神経障害は糖尿病によって引き起こされることもあります。 ④加齢
加齢自体が味覚障害の原因となることもあります。加齢と共に、味覚を感じる味蕾(みらい)の機能が低下し、50~70歳の中高年の年齢層では、特に味覚障害を起こす可能性は高くなります。
⑤ドライマウス(口腔乾燥症)
口腔乾燥症(ドライマウス)も味覚障害の症状を引き起こします。味を感じる物質は唾液に溶けて味蕾(みらい)に伝わりますが、この唾液が少なくなると、味蕾(みらい)の働きが悪くなり、味覚障害を起こしやすくなると言われています。
⑥薬物性副作用
亜鉛キレート作用(亜鉛の吸収をじゃまする作用)のある薬や唾液分泌をおさえる薬に味覚障害が起こりやすいと考えられています。降圧薬、消化性潰瘍薬、抗うつ薬、抗菌薬、抗がん剤などの一部が原因薬物としてあげられます。
⑦ストレス
ストレスは多くの亜鉛を消費すると言われています。ストレス過多の生活をしていると、いくら亜鉛を摂っていても、亜鉛不足になる可能性があります。
⑧味蕾(みらい)への刺激
辛いものを食べすぎると、味蕾やその周囲の細胞の機能を弱らせ、味覚の感度が悪くなります。また、味蕾は繊細なので、舌を歯ブラシなどで強くこするのも避けた方がいいと言われています。


味覚障害の治療


 味覚障害に対する治療は、それぞれの原因によって変わってきます。
①亜鉛の補給
味覚障害の原因として多い亜鉛不足に対しては、亜鉛を補給します。亜鉛を多く含む食品である海草類や貝類、胡麻、肉などの摂取を心がけるほか、サプリメントなどで補充することも効果的です。 クエン酸やビタミンCには亜鉛の吸収を補助する役割があるため、これらを含む食品を合わせて摂取するのも有効です。逆に、一部の加工食品やインスタント食品に含まれている食品添加物(フィチン酸やポリリン酸など)には、亜鉛の吸収をブロックする働きがあることがわかっているので、注意が必要です。
②ストレス緩和
ストレスが多いと、亜鉛の消費が多くなるといわれています。ストレスの原因をできるだけ緩和してあげることも治療を助けます。
③唾液の分泌
加齢と共に唾液の分泌も減ってきます。唾液の分泌は、味覚を感じる上でとても重要な働きをしています。加齢だけでなく様々な理由で、唾液低下や口腔乾燥症が原因となっているのであれば、口腔内を清潔にし、保湿を心がけることが大切です。
④原因薬物の中止
薬の副作用による味覚障害の場合は、できるだけ早く原因となる薬物を中止、もしくは変更することで、症状が改善することが多いようです。


早目に対処するほど効果がある

  味覚障害の発症から半年以上過ぎてしまうと、味覚が正常に戻るまでに時間がかかりやすくなると言われています。できるだけ味覚の異常に気付いた場合は、できるだけ早目に診察、治療、食生活の改善など、原因となるものの改善が必要になります。
薬物性の味覚障害の多くは、服用開始後、多くは2~6週間で症状がでるものが多いと言われています。新しい薬の服用を始めて、「味を感じにくい」、「食べ物の味が変わった」、「唾液の量が減った」などの症状がないか確認してみましょう。
 実際、一度経験するとあきらめがちになる味覚障害ですが、適切な対応をすれば十分に改善する可能性はありますので、気になる症状がある方は、ぜひ早目に対応しましょう。


尾中景子

福岡県出身。2002年、熊本大学薬学部卒業。九州大学病院に約7年間勤務。主に医療チームの一員として入院患者への服薬指導、学会への論文発表、学生の指導などを主な仕事とする。2009年、結婚を機にアリゾナに移住。2016年、自分の好きなことを始めよう、と元々興味のあったアロマセラピーの世界へ。ハワイ・カイルアの米国NAHA協会認定校 Ohana Healing Instituteにて、オンラインや現地での勉強を重ね、クリニカルアロマセラピスト・ハワイアンヒーリングハーブの資格を取得。現在、日本語で米認定アロマセラピーの資格が取れるスクールKokopelli Healing Arizona主宰。他に、にほんごであそぼ&つくろin Arizona~日本をつなぐ~主宰。
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