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新型コロナウイルス

 みなさま、お元気でお過ごしでしょうか?アリゾナは最高の季節ですが、連日の新型コロナウイルス関連の報道。事態は刻一刻と変化し、今や海の向こうの話ではなく、私たちにとっても身近な大きな問題となりました。まだ正体が完全にわかっていない、予防のワクチンがない、治療薬が確立していない現状では、情報が交錯するのはある程度仕方がないことですが、いつまで続くのか、正直疲れてしまいますね。若い人も決して他人事ではなく、一人一人の正しい判断と良識ある行動が必要な時です。自分のためだけではなく、持病がありリスクのある方や年配の方をはじめ、大切な人の命を守るために考えて行動しましょう。感染拡大を少しでも遅らせ、ワクチンや治療薬の研究・開発する時間稼ぎを世界規模で行う必要があります。経済、社会生活、いろいろ不安な世の中ですが、落ち着いて、みんなで支えあって、乗り切りましょう。どうぞゆっくり大きく深呼吸して、リラックスして読まれてくださいね。

 先日、薬の相談を受けました。「自分がコロナかも?と思う発熱時にどの薬をのめばいいのか?イブプロフェンはだめという記事を読んだのだけど。」
3月14日、フランスのヴェラン保健大臣がツイッターで「新型コロナウイルス感染症に罹ったらイブプロフェンなどの抗炎症薬を飲まないように」という趣旨の発言をしました。その後、WHO(世界保健機関)も、「イブプロフェンは新型コロナウイルスの感染を悪化させる可能性があるかもしれない」と発表しました。しかし、その数日後、WHOは「イブプロフェンが新型コロナウイルスを悪化させるとは、現段階では言えない。イブプロフェンの使用を反対する勧告はしない。」と訂正しました。WHOでさえも情報が日に日に変わる状況を見る限り、この新型コロナウイルスCOVID-19は、かなり厄介なウイルスだということが誰にでも容易に推測できます。私はウイルス感染の専門家でもないので、どこまでここに情報を書いたらよいのか、書くことで逆にみなさんを心配させてしまうのか、、、書くことを躊躇したのですが、今回、日本の感染症を専門とする医師や薬剤師のご意見も伺った上で、現段階で知りうる情報と既存のウイルス感染症全般に対する考え方を元に、新型コロナが疑われる発熱時の対策についてお話したいと思います。

迷ったらアセトアミノフェン
 分かりやすく、結果から書きます。インフルエンザを含め、ウイルス感染が疑われる場合の解熱剤は、原則、Tylenol(アセトアミノフェン)が第一選択薬です。NSAIDs(イブプロフェン、ロキソニン、アスピリンなど)は、インフルエンザ感染時、特に小児での脳症のリスクをあげたり、出血傾向を起こしやすくしたり、様々な理由で推奨されていません。解熱が目的であれば、まずは小児から大人まで比較的安全なアセトアミノフェンの服用が勧められます。
ただ、イブプロフェンはNSAIDsの中でも比較的作用の優しい薬で、世界中で多くの使用経験があり、アメリカではインフルエンザ時にも特に大きな問題はないとする知見もあります。感染症に限らず、日本では解熱鎮痛剤として、小児には原則アセトアミノフェンしか使いませんが、アメリカでは小児にもイブプロフェンなどNSAIDsも使用されている背景もあります。また、イブプロフェンなどNSAIDsを定期服用されている方や、持病がある方、肝機能・腎機能障害がある方などは、自己判断で薬を中止したり、市販薬をのまずに、医療機関に相談されることをお勧めします。

熱が出る理由・熱を下げるメリット
 そもそも、発熱は、体の中に入ってきたなんらかのウイルスや細菌などを、外に出そう、殺そうとする、体の防御反応です。むやみに熱を下げることは、この防御反応を邪魔してしまい、結果的にウイルスが増強してしまう可能性があります。しかし一方で、薬で熱を下げることで、発熱によるだるさ、頭痛、関節痛などが和らぎ、体力も回復します。また、解熱することによって、酸素消費量を減らすことができ、持病があったり体力の弱っている患者さんでは、熱を下げることは有効です。38℃(100.4℉)を目安に解熱剤の服用が必要かどうかを判断しましょう。熱があってもきつくない場合などは、無理に熱を下げずに水分と電解質補給をして、ゆっくり休みましょう。

通常、熱を下げる方法は、クーリングか解熱剤
 ①クーリングでは、おでこや関節(首、足の付け根、脇)などを氷などで冷やします。原始的ですが、とても気持ちよく、無理に薬で熱を下げないので、副作用が少ないです。②熱を下げる時に服用する解熱剤は、主にアセトアミノフェンとNSAIDsの2種類があります。NSAIDsとは、非ステロイド系消炎鎮痛薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と呼ばれるもので解熱鎮痛効果があります。

アセトアミノフェンとNSAIDsの違いは??参照図
 アセトアミノフェン(Acetaminophen)は、アメリカではTylenolという商品名で広く販売されています。日本ではカロナールなどを始め、様々な市販薬(新セデス、ノーシン、バファリンルナJなど)に入っている成分で、解熱鎮痛薬です。アメリカでも解熱鎮痛薬としてだけでなく、咳止めや痰切りなどの薬と一緒にTylenol for cold/cough/fluなどいろんな市販薬として売られています。このアセトアミノフェンは、一般的に子供から大人まで安全に使用できる解熱鎮痛薬の代表です。抗炎症作用がありません。副作用は大量服用による肝機能障害。
 AdvilやMotrinの成分のイブプロフェン(Ibuprofen)や、ロキソニンの成分のロキソプロフェンナトリウムに代表される解熱鎮痛薬は、抗炎症作用もあり、NSAIDs(読み:エヌセイズ)と呼ばれます。解熱だけでなく、痛み止めとしても広く使用されています。副作用は腎機能障害、胃潰瘍、出血傾向、NSAIDs過敏症(アスピリン喘息)など。

イブプロフェン(NSAIDs)が新型コロナを悪化?
 SARS(重症急性呼吸器症候群)や、新型コロナウイルスは肺や腎臓などの上皮細胞にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を介して細胞に結合し侵入することが分かっています。LANCET誌では、イブプロフェンがこのACE2受容体を増やすことで、新型コロナウイルスが細胞に侵入しやすくなり、症状が悪化するのでは?という仮説をたてています。しかし、これはあくまでも仮説であり現段階では解明されていません。科学者たちの間でも、意見が分かれており、今後の検証結果が待たれます。ハーバード大学は、これらは観察にすぎず、科学的な根拠に基づいたものではないが、現時点ではアセトアミノフェンを使用して新型コロナウイルス感染症時の発熱や痛みを緩和することは賢明なようだとしています。
 一般的に、インフルエンザや重篤な感染症による敗血症などでは、NSAIDsは使用しない方がいいという報告が多くあるのも事実です。ロキソニンやイブプロフェンなど、市販薬として手に入りやすい薬ではありますが、安易に自己判断で服用するには注意が必要です。
自己判断はせずに、症状があるときは医療機関へ
 新型コロナは、感染者によって症状の出方が人それぞれのようです。多くの方は軽い症状で経過するようですが、中には、感染して発熱などの症状が出た後、数日してから一気に重症化する症例が報告されています。経過観察をしっかりして、重症化する前に医療機関を受診することが大切です。数日薬をのんでも熱が下がらない場合や呼吸が浅く苦しい場合などは、すぐに医療機関に連絡して受診されてください。

最後に免疫力アップに効果のあるハーブや食べ物
 ウコン(ターメリック)、エキナセア(Echinacea)、エルダーベリー(Elderberry)、ノニ(Noni)、しょうが、などなど。まずは規則正しい生活で免疫機能を保ち、バランスのとれた食事に睡眠、程よい運動をこころがけましょう。また、いつになく家族やご近所さん、会えない友達たちとの支えあいが大切な時です。子供の休校、リモートワークへのシフトなど環境の変化の多い中、慣れないこともありますね。そんな時こそ、片目つぶっておもいやりの言葉をかけあって、笑顔で過ごせますように。長い文章にお付き合いありがとうございました。どうぞ、みなさまご自愛ください。

 何かご質問などありましたら、info@kokopellihealingaz.comもしくはLINE(ID:@869rxhti)にお気軽に連絡ください。

参考
アリゾナのコロナ感染状況、医療機関の検索→アリゾナ州保険局 https://www.azdhs.gov/
WHO(世界保健機関) https://www.who.int/
CDC(米国疾病予防管理センター)  https://www.cdc.gov/
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(20)30116-8/fulltext

 

尾中景子

福岡県出身。2002年、熊本大学薬学部卒業。九州大学病院に約7年間勤務。主に医療チームの一員として入院患者への服薬指導、学会への論文発表、学生の指導などを主な仕事とする。2009年、結婚を機にアリゾナに移住。2016年、自分の好きなことを始めよう、と元々興味のあったアロマセラピーの世界へ。ハワイ・カイルアの米国NAHA協会認定校 Ohana Healing Instituteにて、オンラインや現地での勉強を重ね、クリニカルアロマセラピスト・ハワイアンヒーリングハーブの資格を取得。現在、日本語で米認定アロマセラピーの資格が取れるスクールKokopelli Healing Arizona主宰。他に、にほんごであそぼ&つくろin Arizona~日本をつなぐ~主宰。
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