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自然に優しく生きる

~海洋生物と便利な暮らし~

 みなさん、お元気ですか?気持ちの良いアリゾナですね~!2021年も気づけば三分の一が過ぎてしまいました。早いですね!みなさんは、今年何か新しく始めたことはありますか??私は、2月からレストランで41歳にして、サーバーデビューしました!週に2回だけ、お手伝いさせていただいているんですが、英語力に自信がない私でも、なんとか楽しんでおります。(絶賛、サーバー、キッチン、募集中です!Cherry Blossom Noodle Café,@ Camelback and 10th st、一緒に働きませんか?メニューにはいろんな日本食があります。)自分がまさかアメリカでサーバーをするとは、、、人生とはおもしろいもので、いくつになっても、新しいことに挑戦することは、勇気もいるけど楽しいな、と思っています。もしオアシス読んでくださっている方でチェリーで私を見かけたら、お声がけください。喜びます!
 この原稿を書いている今日は4月22日。「EARTH DAY」です。昨年のアリゾナの雨の少なさをはじめ、気候の変化を肌で感じますね。アリゾナの風景には欠かせないサワロカクタスの存続にも影響を及ぼしているとも言われています。文明が発達して便利な世の中に感謝するとともに、自然に優しい生活とは矛盾していることに胸を痛めます。今回は、この美しい地球や自然を守りながら、人間が共生していくために、私たち一人一人に何ができるのかなぁ~と考える機会にできたらと思います。

コロナ禍での海の変化

 2020年から始まった世界規模のパンデミック。結果、人の移動が大きく制限され、その結果、海への人の出入りも制限されました。みなさんもご存じかと思いますが、ハワイの海がとてもきれいになっているそうです。ハワイ固有種で絶滅危惧種に指定されているハワイアンモンクシール(和名:ハワイアンモンクアザラシ)の数が増えたり、アオウミガメが、普段は卵を産まないビーチで巣作りをしたりと、普段どれだけ人が自然界の生態系に影響を及ぼしているのか、考えさせられます。今では、アメリカ国内からの観光客が増えてきているというハワイですが、パンデミック収束後も、ハワイの自然に敬意を払いながら、旅行者としてマナーをもって癒しの楽園を楽しみたいものですね。

ハワイの海で日焼け止め禁止

 ハワイの海といえば、2021年1月からサンゴ礁を傷つける一部の日焼け止めの販売・流通を禁止する、「日焼け止め規制法」が世界で初めて施行されました。販売禁止の対象となる日焼け止めは、紫外線吸収剤の「オキシベンゾン(Oxybenzone)」と「オクチノキサート(Octinoxate)」の2種類です。これらは、サンゴ礁の白化現象や遺伝子損傷の原因になると言われています。オクチノキサートは、日本ではメトキシケイヒ酸エチルヘキシルという名称で、日焼け止めの中に入っています。また、オキシベンゾンとオクチノキサートだけでなく、アボベンゾン、オクトクリレン、ホモサレートも人体にも海洋生物にも有害といわれているので注意が必要です。

人にも海洋生物にも優しい日焼け止め

 ハワイの海で使える優しい日焼け止めの有効成分は、「酸化亜鉛(Zinc Oxide)」と「酸化チタン(Titanium Oxide)」の二つです。使用する際は、顔、首、足、手の甲に塗り、それ以外の部分はラッシュガードや帽子なども一緒に日焼け対策をしましょう。海に入らなくても、シャワーなどから流れて海に流れる場合もあります。また、スプレー式の日焼け止めは、微粒子を吸い込むことで肺などに影響があるので、できるだけ使わない、もしくは使う時も風向きなど周りに注意して使いましょう。

ワールドリーフデー

近年、ハワイだけでなく世界のサンゴ礁は大幅に減少しています。ハワイ州とオーストラリアのグレートバリアリーフは40%、カリブ海は85%、フロリダキーズは99%もサンゴ礁が減少していると言われています。世界中で絶滅の危機に直面しているサンゴ礁の繊細な生態系をみんなで考えて行動しようと、啓蒙する日が「ワールドリーフデー(World Reef Day)」です。毎年6月1日です。サンゴ礁は、流出水による海の酸性化により、炭酸カルシウムの殻の形成が難しくなります。加えて、地球の温暖化による海水温の上昇が負の連鎖を大きくしています。日焼け止めを変えることだけで、こうした問題をすべて解決することはできませんが、私たち一人一人が地球のため、海洋生物のためにできることの選択肢の一つです。

ウミガメのえさ

 ウミガメには、アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オサガメなどの種類があります。賢いことに彼らは、ウミガメの種類によって餌を食べ分けて、競争関係を回避しているそうです。それぞれ、海藻や海草、貝、ヤドカリ、カイメン、クラゲ、底生動物などを餌とします。中には、海に浮かぶプラスティックバッグをクラゲと勘違いして食べてしまい病気になるウミガメもいるそうです。悲しい現実です。  私たちが使うプラスティックバッグ。ポイ捨てや、風に吹かれた場合は、最終的には海に流され、ごみとして出した場合は燃えて大気へ、リサイクルした場合は新しいものに姿を変えます。私たちにできることはなんなのでしょうか?できるだけ、プラスティックバッグを使わないという選択肢を選ぶ、それも小さなそして大きな一歩ではないでしょうか。実際にハワイ州では、スーパーでのプラスティックバッグが全面禁止になっています。

ゴミが分解されるまでの年月

 プラスティックバッグが自然に分解されるまでには長い年月を要すると言われています。表1では、海の中でゴミが分解されるまでの年月を比較したものです。プラスティックボトルの年月には目を疑いたくなる数字に驚きます。プラスティックは、ある程度分解された後もマイクロプラスティック(プラスティックが粉砕されて、5ミリメートル以下の微細になったもの)として海の中(特に海底)、水の中、土の中、そして空気中にも残ると言われています。このマイクロプラスティックは、海洋生物だけでなく、人体にも環境ホルモンなどとして悪影響があるのでは、と研究が進められています。プラスティックをできるだけ使わない、そして、ちゃんと決められた場所に捨ててリサイクルする必要があると思います。


今後の課題

 コロナ禍の最初の頃、エコバッグが禁止された時期もありましたね。感染予防の観点からプラスティック用品やゴム手袋、マスク、防護服など使い捨てできるものが増えているのも事実です。新たな負の連鎖を招かないよう、一人一人が、今置かれた場所でできることを考えて行動することが大切ではないか、と自戒も含めて感じます。プラスティックも堆肥化できたり、植物から作られたり、新しい技術なども研究されています。そして、代替となるもの(ガラスや紙)が、果たして安全で自然に優しいのか、今後もいろんな問題が出てきては工夫していく必要があるのでしょう。自然と人間が共生しながら生きていくことは、地球人としての終わりないテーマなのかもしれません。


 

尾中景子

福岡県出身。2002年、熊本大学薬学部卒業。九州大学病院に約7年間勤務。主に医療チームの一員として入院患者への服薬指導、学会への論文発表、学生の指導などを主な仕事とする。2009年、結婚を機にアリゾナに移住。2016年、自分の好きなことを始めよう、と元々興味のあったアロマセラピーの世界へ。ハワイ・カイルアの米国NAHA協会認定校 Ohana Healing Instituteにて、オンラインや現地での勉強を重ね、クリニカルアロマセラピスト・ハワイアンヒーリングハーブの資格を取得。現在、日本語で米認定アロマセラピーの資格が取れるスクールKokopelli Healing Arizona主宰。他に、にほんごであそぼ&つくろin Arizona~日本をつなぐ~主宰。
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