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ビタミンDへの期待

 Stay-at-home orderが解除され、アリゾナは少しずつ活気が戻りつつあります。みなさま、お元気でお過ごしでしょうか?「歴史は繰り返す」という言葉がありますが、1918年に流行したスペイン風邪は、終息に約2年の月日を有したそうです。そして、第二波の死亡率は第一波よりも高かったという事実がわかっています。100年前に比べたら、医療技術も進んでいるとはいえ、いまだ確実なワクチンや治療薬が確立していない現時点では、何がおこってもおかしくないのかもしれません。新型コロナウイルスに限らず、今後も目に見えない新種のウイルスや細菌が出現することは容易に想像できます。ただ、人は賢い生き物だとつくづく思います。そして、自然はそれ以上に賢いとも思います。庭の草取りをしていると、季節が移ろうごとに新種の草花がどんどん増えていきます。植物たちは、種の保存をしようと、ありとあらゆる工夫をして種をつくります。自然のたくましさや美しさを見ていると、心が穏やかになり、人間もがんばるぞ!という気持ちにさせられます。この数か月、オンラインを通して人と繋がり、手作りマスクを作り、優しい言葉をかけあい、“Do your part.”をみんなが実践して、今までにない工夫を凝らして生活している世界中の人々のたくましさ、優しさを感じます。素晴らしいですね。
 今後は、一人一人がある程度自分や家族の健康に責任をもち選択していく、“セルフメディケーション”という考えが、今まで以上により強く求められる時代になっていくと思います。 “You are what you eat.”健康の基本は食べ物です。人を良くすると書いて、「食」です。人は食べ物から栄養を頂き、適度な運動、十分な睡眠、そしてストレス発散が大事です。そして、体の健康だけでなく、心身共に健康であることが望ましいですね。
食事から摂取する必要な栄養素の一つとしてビタミンがあります。「新型コロナウイルスの重症化を防ぐにはビタミンDが有効!?」という記事を読まれた方、すでに実践させている方も多いかもしれません。今回は、ビタミン全般のお話と、ビタミンDのすばらしい働きについてのお勉強です


ビタミンとは
 ビタミンとは、エネルギー産生栄養素(糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質)に比べて、微量ではあるが、体の健康を維持するために必要な栄養素です。つまり、ビタミンは他の栄養素がうまく働くための潤滑油のような働きをします。体内ではほとんど合成することができないため、食べ物からとる必要があります。不規則な食生活を続けるとビタミンが不足し、ある特定の病気を発症したり、成長に障害が出たりすることがあるため、注意が必要です。水や油への溶けやすさで水溶性ビタミンと、脂溶性ビタミンの「2種類」に大きく分類されます。


水溶性ビタミン
 水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿などから体の外へ排出されます。そのため、一回に大量に摂取するよりも、少量を頻回にわけて摂取するとよいとされています。ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンCが水溶性ビタミンに当たります。ビタミンCは、一気に大量に服用すると、下痢や胃痛などの症状が出る場合があります。


脂溶性ビタミン
 脂溶性ビタミンは、文字通り油に溶け、水には溶けない性質があり、主に脂肪組織や肝臓に蓄えられています。脂溶性ビタミンは体の中に蓄積されやすいため、過剰摂取には気をつける必要があります。油に溶けやすいため、脂溶性ビタミンは油と一緒に取ると効果的だと言われています。ビタミンA,D,E,Kがこの脂溶性ビタミンに当たります。ビタミンDAKE(ダケ)と覚えてください。


ビタミンF~Jは?
 ちょっとここで、豆知識ですが、ビタミンEの次がビタミンK。その間のアルファベットのビタミンF~Jは??と思った方いらっしゃいませんか?ビタミンという名称が提唱されたのは1912年。その後新たなビタミンが発見されるたびにA,B,C、と順番に名前が付いたそうです。ということで、ビタミンF~Jもあったそうですが、後の研究でそれらがビタミンではないことが証明されたそうです。今現在、ビタミンとして立証されているものは、ビタミンA,B,C,D,E,Kです。


ビタミンDへの期待
 医療が今のように発達していなかったその昔、日光浴が治療法の一つでもありました。今でも適度な日光浴は、健康推進に勧められますが、その理由の一つにビタミンDがあります。ビタミンDの働きは、主にカルシウムの吸収を高めて、骨を強くする作用がメインとされてきました。しかし、最近の研究では、骨強化(骨粗しょう症予防)にとどまらず、糖尿病予防、筋力低下予防、免疫バランスの調整、がん予防、花粉症予防、眼の保護、認知症うつ予防、アンチエイジングなど、多様な役割が期待されています。


ビタミンDを取り入れる二つの方法
 ビタミンDはそのままでは体内で働くことができません。活性型ビタミンDになるためには、肝臓、腎臓での代謝が必要になります。また、体内に取り入れるには二つの方法があります。
1)皮膚で合成
太陽光(主に紫外線UVB)と体温によって、皮膚上のコレステロール由来の物質からビタミンD3が作られます。それゆえビタミンDは、別名「太陽のビタミン」とも呼ばれています。日中の太陽光を10-30分浴びることが推奨されています。くれぐれもアリゾナの夏、無理はしないでくださいね。特に夏はある程度の日よけ対策をした上での対処が必要です。
2)食品由来
日光浴が難しい場合の摂取方法としては、食品から摂ることです。ビタミンD含有の食品としては、魚類(サーモン、しらす干し、ひらめ、さんまなど)や牛乳から得られる動物由来のビタミンD3と、キノコ類(干しシイタケ、乾燥きくらげなど)から得られる植物由来のビタミンD2があります。この二つを比べると、ビタミンD3の方がより効率よく体内で、活性型ビタミンDになります。


女性はビタミンD不足に注意
 ビタミンDは、食事よりも皮膚で作られるビタミンD3の方が、体内への寄与率が高いといわれています。紫外線というと、特に女性は敬遠しがちですね。適量の日焼け止めを塗っただけで、皮膚で作られるビタミンDを95%も減らすという報告もあります。女性の方は特にビタミンD不足に注意が必要です。また、ビタミンDの構造からビタミンDはビタミンとはいえどもホルモン的な働きをするとも言われています。歳を重ねるごとに、女性は女性ホルモンのアンバランスによって骨密度が減ったり、うつ症状がでたり、いわゆる更年期症状というものがでてきます。現在ビタミンDの補充は、こうした女性特有のお悩みを解消することにも期待されています。


新型コロナウイルスにビタミンDが有効?
 ビタミンDが不足していると、新型コロナウイルス(COVID-19)が重症化しやすいという、報告が上がってきています。これはインフルエンザですでに報告されていることで、ビタミンDが、ウイルス感染時に起こる免疫機能のサイトカインストームを抑える働きがあるのではないかといわれています。今後の研究結果が待たれます。ウイルス感染症に関わらず、ビタミンDは、免疫機能をスムーズに働かせる役割があることが近年の研究で分かっています。がん予防、再発予防などの研究も進んでいます。


サプリメントとしての摂取
 過度な日光浴は、皮膚がんのリスクを高めてしまうので、注意が必要です。また、歳を重ねるごと、肌からのビタミンD生成量は減っていくといわれています。ですので、適度な日光浴と、食事からの摂取に加え、必要時はサプリメントとしてビタミンD3を効率よく生活にとりいれるのもおすすめです。NIH(National Institutes of Health)が推奨するビタミンDの一日量は、600-800IU(15-20マイクログラム)です。ただ、一日の推奨量を1,000-2,000IU(25-50マイクログラム)とする専門家も見受けられます。ビタミンDの上限摂取量は4,000IU(100マイクログラム)とされています。サプリメントも摂りすぎは、逆に添加物などの問題もあると思いますが、できるだけ食事や日光浴からビタミンDをとり入れつつ、必要時にはサプリメントから必要なだけ賢く利用したいものですね。

 今後は、病気になる前にできる未病、予防に加え、病気になった時に正しく判断できる知識と判断力が求められる時代になっていきます。そして、上手に医療を利用することに加え、代替医療・補完療法と位置づけされる、マッサージ、カイロプラクティック、ヨガ、瞑想、アロマセラピー、ハーブ療法、食事療法、音楽療法、、、など様々なホリスティックな要素を取り入れる、バランスが大切になっていくと思います。Kokopelli Healing Arizonaでは、“Be Yourself. Love Yourself.”をモットーに、自然に感謝しその恵みを生活に取り入れる暮らしの提案をしていきたいと思っています。こちらのコラムでは、”薬と健康“というテーマで書かせていただいていますが、今後もアリゾナに住む日本人の方々の健康に少しでもお役にたつ情報をお伝え出来たらと思っております。
 先月、新型コロナウイルス関連の無料ZOOM勉強会を計4回開催させていいただきました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。延べ20名の皆様にアンケートを行いました。私も初めての取り組みで、反省する点も多かったですが、温かいお言葉もいただきました。移動せずにみなさんと意見交換ができるのはよかった、不安なこの状況で人とつながる場があることがうれしい、続けてほしいというご意見も頂きました。毎週は無理ですが、今後は、このオアシスで取り上げたテーマについて、できれば月一回のペースで質問を受けたり、ゆる~く情報交換会を開こうかな~と考え中です。興味のある方いらっしゃいますか?感想やご意見などいただけたら、非常に嬉しいです。よろしくお願いします。

参照:https://ods.od.nih.gov/

 

尾中景子

福岡県出身。2002年、熊本大学薬学部卒業。九州大学病院に約7年間勤務。主に医療チームの一員として入院患者への服薬指導、学会への論文発表、学生の指導などを主な仕事とする。2009年、結婚を機にアリゾナに移住。2016年、自分の好きなことを始めよう、と元々興味のあったアロマセラピーの世界へ。ハワイ・カイルアの米国NAHA協会認定校 Ohana Healing Instituteにて、オンラインや現地での勉強を重ね、クリニカルアロマセラピスト・ハワイアンヒーリングハーブの資格を取得。現在、日本語で米認定アロマセラピーの資格が取れるスクールKokopelli Healing Arizona主宰。他に、にほんごであそぼ&つくろin Arizona~日本をつなぐ~主宰。
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