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ピンクリボン月間 
乳がんは早期発見早期治療
自律神経と健康
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感染経路から感染予防を考える
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自律神経と健康

 暑さ寒さも彼岸まで。アリゾナは日本ほど四季がないですが、9月20日前後になると朝晩が涼しくなり、「あ~やっと夏が終わる。アリゾナの最高の時期がはじまる!」と、秋の訪れを感じつつ、なんだかわくわくします。2020年は、新型コロナウイルスによる長期的な自粛生活に加え、アリゾナは、110℉ (43℃)を超える日が50日以上という記録更新をした夏でもありました。みなさん、夏のお疲れが出ていませんか?新しい生活様式への変化に対応しつつ、我慢を余儀なくされ、何かと工夫する必要がある場面も多々あります。今まで当たり前にできていたことができなくなったりすることも多くありますね。その一つに、病院の受診方法もかなり変わったことの一つではないでしょうか。医療崩壊を防ぐために患者数を制限したり、治療を延期せざるを得なかったり。今までもアメリカで病院を受診するのは、日本で病院に行くのとは違って、予約をしたり、紹介状を書いてもらったり、言葉の壁も含めて、何かと面倒な手続きがあったりします。その上、このコロナ禍においては、病院の予約時間が制限されたり、オンライン診察に移行したり、一時期は受診することもできないこともありました。本当は、年に一度の検診に行かないといかないといけないのに、、、病院に行くのを躊躇されている方もいるかもしれません。私のように、年に一度、日本に帰った際に検診を受けていたけど、今年は日本に帰れずに受けていないという方もいらっしゃるかもしれません。今回は、ピンクリボン月間の10月にちなんで、アメリカで乳がん検診のマンモグラフィを受けるにはどうしたらいい?注意点は?というお勉強です。

 

10月はピンクリボン月間


 ピンクリボンとは、乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進することを目的に行われる世界規模の啓発キャンペーンです。ピンクリボンのはじまりはアメリカで、乳がんで家族を失ったご遺族が「このような悲しい出来事を繰り返さないように」という願いを込めてリボンを作ったことが起源と言われています。今では、アメリカに限らず世界中の多くの女性に乳がん検診のきっかけを与えています。
乳がんとは
 乳がんとは、乳房にある乳腺にできる悪性腫瘍です。日本では女性の11人に1人が、欧米では7~8人に1人が乳がんになる時代です。罹患率は増えていますが、同時に死亡率は減少しています。米国がん協会(ACS)の報告書「がん統計2019年版(Cancer Statistics 2019)」によると、2016年の女性の乳がん死亡率は1989年と比べて40%も減ったとされています。日本では女性の30代後半から増加し始め、40代~50代前半でピークを迎える働き盛り世代の女性で罹患率ナンバー1の乳がん。近年では生活の欧米化で閉経後の60代でも増加してきているという、海外に住む女性にとっては決して他人事ではありません。
年に一度のマンモグラフィ
 私は、今まで二度マンモグラフィを受けて、二回とも要精密検査という結果でした。一度は五年前(35歳)にアメリカでマンモトーム生検(マンモグラフィをしながらの生検)という恐ろしい検査を経験し、その後乳がん検診が怖くなりました。二度目は昨年(39歳)、乳房に違和感があって、ようやく意を決し、日本の信頼する医師に診てもらいました。マンモグラフィの結果は異常なかったのですが、超音波検査(エコー、Ultrasound)で引っかかり、針生検(Biopsy)を経験しています。今のところ経過観察中なのですが、家族にがんが多いという背景もあり、年に一度の検査を勧められている状態です。本来ならば、6月に日本の主治医に診てもらう予定だったのですが、今年はコロナ禍で帰国できず、今年はアメリカで受けることにしました。
アメリカでマンモグラフィを受けるには
 アメリカでマンモグラフィの検査を受けるため、私はまずは婦人科
obstetrician/gynecologist(OB/GYN)にチェックアップを兼ねて行きました。子宮頸がんの検診も行い(Pap smear)、乳房の気になる症状を伝え触診してもらい、マンモグラフィなどを検査する施設へ医師からのオーダーを出してもらいました。マンモグラフィを受ける日時は、生理周期なども関係するため、マンモグラフィと超音波検査を受ける施設に、直接自分で電話予約する必要がありました。(これは病院によってはシステムが違うかもしれません)
アメリカと日本の予約などのちがい
日本ではどうかというと、直接検査のできる病院に連絡して、予約さえとれれば、マンモグラフィ、超音波検査、診察までがその日の内に終わります。去年私が受けた時は、電話予約した日から二日後には結果が出ていました。(生検をする場合は2~3週間の検査結果の待ち時間あり)今回、アメリカで婦人科を受診したのが8月末。マンモグラフィの予約が取れたのが9月中旬。タイミングよく予約がとれればいいのですが、婦人科の予約をいれた時から計算すると、アメリカではずいぶんと時間がかかるなという印象です。

アメリカあるある


 9月中旬、前夜は緊張してなかなか眠れず、覚悟を決めて行ったマンモグラフィ。受付で色々必要事項を記入したりして、支払いのサインをしようかとちょっと気になることを受付の人に話すと、「あなたは今何か症状があるの?」と、「はい」と答えると、「それなら医師からの違うオーダーが必要だわ。今日の検査は受けられない。リスケジュールして。」はい、でました。リスケジュールもその場ではできず、「後日電話するからその時にしてね。」アメリカでは、こういう病院間の連絡ミスやらなんやらがあるのです。私のド緊張を返して~と叫びたい気持ちを抑え、その日は家路につきました。そして、後日電話があって、リスケジュールすると、次に空いている日は11月中旬という驚きの現実でした。
Be Patient
 アメリカで医療を受ける際にいつも思うことですが、「Be Patient.」ただでさえ、自分が病気と向き合って不安になっている上に、こういう自分たちではどうしようもできない病院の都合や連絡ミス、保険のミスなどによって、待たされることが多くあります。何か気になることがあれば面倒ではありますが、がんばって質問したり、希望を言ったり、意見を言いましょう。おそらく、10月はピンクリボン月間なので、もともとの予約も多いのかな?もしくは、新型コロナの感染者数が減ってきたので、検査に訪れる人も増えてきているのかな?と予想ができます。ということで、医師のオーダーミスさえなければ、今頃白黒はっきり結果がでていただろう私は、まだ宙ぶらりん状態です。なんとなく悶々とした日々を送っています。Be Patient.何が起きても大丈夫と言い聞かせる毎日です。


マンモグラフィを受けるタイミングは?生理中は?


 マンモグラフィは、生理日と重なっても検査は受けられますが、できれば、乳房の張っていない生理後が一番おススメです。逆に排卵後から生理までの乳房の張る時期は避けた方が無難です。マンモグラフィ検査時の苦痛を少しでも軽くする目的と同時に、乳房が張っていない時期の方が、マンモグラフィ、超音波検査、MRI画像などがわかりやすいという理由があります。


乳がんは早期発見早期治療


乳がんは幸い、目に見えない内臓などのがんに比べ、自分である程度発見ができるがんでもあります。月一度の生理後のセルフチェックをぜひ習慣づけましょう。実際に自分やパートナーが見つけて受診される患者さんも少なくありません。自分の手で触って感じて、何かおかしいな?と思った時は、ぜひ医師の判断をうかがってくださいね。乳がんは初期の段階では局所的な病気ですが、ある時点の段階から全身に転移しやすいがんとみなす考えが主流となっています。分子標的薬をはじめ医療の発達に伴い、患者の個人レベルで最適な治療方法を分析・選択することが可能になってきている今、乳がんを早期発見し治療することがとても大切です。
<<月に一度の乳がんセルフチェックの仕方>>
※乳がんは乳房の「外側の上部」にできやすいので、特に注意して調べましょう。
※閉経前の方は、乳房の張りの少ない生理終了後一週間以内に、閉経後の方は、月に一度日を決めて行いましょう。
※毎日ではなく月に一度の理由は、毎日だと変化に気づきにくく、月に一度だと変化に気づきやすいと言われています。
1. 鏡に向かって
両手を上下して、正面、側面、斜めから乳房を観察します。へこみはないか、色の変化はないか。乳頭を軽くつまんで分泌物はないかも確認しましょう。
2. 入浴時に
腕を上げ、円をえがくように手のひらでしこりやこぶなどがないかを確かめます。この時、石鹸をつけると滑らかで確認しやすくなります。
3. ベッドの上で
腕を上げて乳房の内側を、腕を下げて乳房の外側を指の腹で軽く圧迫しながら調べます。わきの下のリンパが腫れていないか、指をそろえて確認しましょう。


おわりに

  自分の体のこと、病気のことを知ることはとても大切なことです。「がんだったらどうしよう、大変な病気だったらどうしよう、怖いから病院に行けない。」とても気持ちは分かりますが、大切なことは“知ること”。知った上で、どう受け入れて、どう向き合うか。治療があるからこそ、早目の検診が大切です。コロナ禍でなかなか病院へ行き辛い昨今ですが、もし今、健康に不安があって、病院に行くのを迷っている方がいらっしゃったら、ぜひ勇気を出して一歩前に進んでみてください。アメリカでは、気軽に検診といっても病気以外のお金やシステム、英語の不安などもあるかと思います。まずは信頼できるプライマリードクターを見つけ、ご相談されてください。そして、自分たちでできることといえば、生活習慣を見直して病気になりにくい体質作りや食生活などを日常生活に取り入れて、病気を予防することです。一つ一つの方法はそれぞれ小さな効果しかないかもしれませんが、効果のあることを併せることで、より大きな効果が得られるかもしれません。医者任せにせず、病気のことを知り、自分の体のことを知り、必要な予防やケアをしましょう。ただ、いくら健康的な生活を心がけていても、病気になる時はなってしまいます。あまり気負わず、自分の好き!という感覚を大切に日々楽しんでストレスを低くすることもとても大切だと私は思います。たまにスイッチオフして好きなものを食べて、大切な人とゆっくり過ごす時間もとりましょう。大事なことは自分の心や体に正直に向き合うこと。アリゾナの短い秋を楽しみましょう。


尾中景子

福岡県出身。2002年、熊本大学薬学部卒業。九州大学病院に約7年間勤務。主に医療チームの一員として入院患者への服薬指導、学会への論文発表、学生の指導などを主な仕事とする。2009年、結婚を機にアリゾナに移住。2016年、自分の好きなことを始めよう、と元々興味のあったアロマセラピーの世界へ。ハワイ・カイルアの米国NAHA協会認定校 Ohana Healing Instituteにて、オンラインや現地での勉強を重ね、クリニカルアロマセラピスト・ハワイアンヒーリングハーブの資格を取得。現在、日本語で米認定アロマセラピーの資格が取れるスクールKokopelli Healing Arizona主宰。他に、にほんごであそぼ&つくろin Arizona~日本をつなぐ~主宰。
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